ケモノの城
2014年4月30日読み始める。
2014年5月4日読了。
誉田哲也さんの小説は、ジウシリーズから始まり、姫川シリーズ、その他(武士道シリーズは含まず)と読んでいますが、本作はテーマがテーマだけに、今まで読んだ中でも異色でした。
実際にあった北九州監禁殺人事件をモデルに、事件を捜査する刑事らを主人公に、時に犯人グループの1人の証言を交えながら、おぞましい事件の全貌に迫ります。
生き残った被害者も加害者で、主犯であるケモノはほとんど手を下さずに、誘導と指示だけで、被害者の財産、命、家族を奪うという、本当に奇妙で気色の悪い事件です。
最終的には、その主犯のケモノも、被害者であり加害者である人たちによって「処理」をされてしまって、全くハッピーエンドでも解決でもない状態で完結してしまいます。ただ、読後感としては、「ようやくこの深い闇から抜け出せるか!」と変にすっきりした感じです。
怖いもの見たさで読み始めると、先が気になって深い闇にはまり込み、最後は抜け出す、そんな小説でした。